高畑勲についての自問自答

bunshun.jp

問:

自分がメチャメチャ好きな作品が、実は最悪な労働環境のもと制作されていて、完成に到るまでの過程で何人ものスタッフが過労死していたとしたら?

答:

  • 「人を殺してまでやり遂げなければならない事」はこの世に存在しない。死に追いやるほどの負荷をスタッフにかけたことは本当に最悪だし、当然非難されるべき。
  • 人が死ぬかどうかギリギリの限界のときに放つ「覇気」みたいなものは確実に存在するし、作品に圧倒的な迫力を与える(※)。「ダークナイト」のジョーカーの演技然り。 そういった作品に巡り会えることは本当に幸運なことで、作品に命を捧げたスタッフに対して、敬意を持って鑑賞しなければならない。

※「製作者が不健康なほど作品がよくなる」わけではない。作品に注がれたエネルギーの総量と、その方向性の問題。 いい作品が作られるためのプロセスは、必ずしも不幸なものだけではない。